次世代食堂のストーリー

※当ページは「info.caffeのストーリー」から名称変更いたしました。

Story

現代人の忙しさ

今朝もまた、満員電車に乗って会社に行く。
仕事に追われ、同僚と話し、気がつくとお昼休み。
午後も会議や期限の迫った仕事がたくさん。
ただでさえ忙しいのに、人は減って仕事は増えるばかり。 事務的にこなした仕事の結果に疑問を感じている時間もない。

人は、そう簡単には鈍感にはなれない。
重なる疑問。保留にしてしまった問題。妥協。理不尽。 こうしたことが負のストレスとなって、積もっていく。

ふと時計を見れば、もう午後10時。 こんな時間でも、社内には人がたくさん残っている。

ああ、今日もまたこんな時間か……。

そう思いながら、PCの電源を落とす。

帰路

帰りの電車の中で、いろんなことが頭に浮かぶ。
まだ片付いていない仕事の段取り。顧客への説明。 事前準備。必要な資料。さまざまな課題。

ふと思う。 これって、意味あることなんだろうか。
自分はこの手で、世の中に何を提供しようとしているのだろうか。
その疑問はいつも保留のまま。

そうこう思い巡らせているうちに、地元の駅につく。
駅周辺はもう静かで、少しほっとする。住宅街は深夜の静けさ。

さて、晩御飯はどうしようか。

限られた夕食

こんな時間だと、開いてるお店は限られてる。
最近外食ばっかりだな……いまから食事を作る?
でも、お店もほとんど閉まってるし、
いまから作ったら、食べられるのは何時になるだろう。

明日は朝から大事な打ち合わせがあるし、そこらへんで済ませてしまおうか。
……とはいっても、開いてるのは24時間のファミレスやチェーン店、それから、コンビニ。
どれも飽きたなあ。

限られた選択肢の中から消去法で夕食を選んでいることに 気が付けない。
食事を楽しむ心の余裕が日々の生活から抜け落ちている。

あったらいいな

帰ったら夕食が用意されていることの素晴らしさを知った。

誰か自分のような人のために、夕食を作ってくれる場所があったらいいな。
塩分や油の量とか食材の安全性とか、そういう心配もなく、
シンプルに、お母さんが作ったようなご飯を毎日出してくれるお店。
メニューも自分で選ばなくていい。 自分で選んでると、いつも偏ってしまう。

まるで母親に「今日の晩御飯、なに?」って聞くように、
今日の晩御飯は何だろうな……って、
ほんのちょっとかもしれないけど、ワクワクできるお店。

月額料金

もしそんな店があったら、できるだけ毎日通うだろうな。
たまに気が向いたときだけ行くだけじゃ、ただの外食と変わらないから。

ああ、料金も月払いにしてくれたらもっといいな。
スポーツジムや寮の食事みたいに、毎月きまった料金を払うだけ。

それなら毎日払う面倒もないし、 毎日通う理由付けにもなる。

お店だって、お客さんがみんな月払いだったら お客さんと一期一会じゃなくなる。
長期的に「飽きない食事」「栄養バランスのよい食事」を考えてメニューを考えることができるだろうな。

無いなら、作ればいい

月払いで、毎日食べられる食堂。

家庭の食卓を、地域でシェアする。

作る人は、ひとりのシェフではなくて 、
作ってもいいよ、作れるよ、っていう人を探したらいいんじゃないか?

調べているうちに、わかってきた。
せっかく料理ができるのに腕を持て余している人、思ったよりもいる。

料理を振る舞いたいのにチャンスがない人も、いる。

もしかしたら、そういった人たち、 この街にもいるんじゃないか?

一緒に作る仲間探し

月額の食堂をつくる。

そんな思いを心の片隅に、この可能性についていろんな人に意見を求めた。
確かに需要がある、そう実感する反応ばかりだった。

「実際にやるのは難しいんじゃないか、儲からないんじゃないか」
という否定的な意見も当然あった。

親戚、友人、イベント参加、……。いろんな所にアプローチしてみた。
けれど、このアイディアを実現するために必要な仲間になりそうな人が、どうしても見つからなかった。

いいね、とか、ダメだね、って評価してくれる人はたくさんいる。
でもいま必要なのは、評価してくれる人じゃなくて、共に作っていく仲間だった。

地元密着型

毎日利用する食堂だからこそ、便利な場所になければ誰も使ってくれない。

つまり、利用する人の自宅か職場の近くに置くしかない。
職場の近くに置くと、対象は働いている人だけになる。
ということは、この食堂は超地域密着型だ。

地域の外で仲間を探しても、見つからないのは当然だった。
そう気づいて、地元で仲間を見つけるにはどうしたらいいだろうと考えるようになった。

地元での出会い

いつもお世話になっているカフェ、
カフェテリア・ベントエマーレ。

イタリアの職人が作った石窯を駆使して最高のピッツァを提供する、
ピッツェリア・ベントエマーレ。
決して派手なスタイルではないけれど、食の大切なものを地道に伝え続けている、
この不動前という落ち着いた街でひときわ輝くイタリアンのお店。

そんなお店を経営して、自ら石窯の前に立つピッツァ職人の中西さんが、
新しいことにチャレンジするための場として営業してきたのがこの、
カフェテリア・ベントエマーレ。

そのカフェで、中西さんにこの食堂のアイディアを話してみたところ、
中西さんの目が輝いた。

「それ、いいですね」

それから、すべてが動き出した。

活性化

飲食の経験が豊富な中西さんとのタッグができて、食堂の話は加速した。

毎日のようにスマホで交わすメッセージで、アイディアを膨らませ、課題を見つけ、解決策を話し合っていった。
地元で商売・活動・生活をしている方の話も聞きたいという共通の思いが人を繋いだ。
そうして、このアイディアに賛同してくれる仲間は増えいった。

この、会社とも団体ともつかない、ワクワクするグループに、
中西さんが TOWNSHIP LABO という素敵な名前をつけてくれた。

はじめは自分で会社を起こして、その会社の事業として食堂を実現していくうえで、中西さんや仲間の力を借りるという考え方だった。
それが、仲間が増えて話を深めていくうちに、形を変えていった。

このカフェテリアをベースにやってみてはどうか?
そんな中西さんからの提案。
中西さんは、この話に本気だった。

TOWNSHIP LABOのありかた

こうして行き着いたのは、TOWNSHIP LABO の価値は次のようなものだということ。

  • 地域社会に革新的な働き方や文化を創造する
  • 今まで誰も試みたことがないようなことを実現していく
  • ワクワクだけで、生きていくことにチャレンジする

そして、生まれたての TOWNSHIP LABO が経験する最初のプロジェクトとして、
カフェテリア・ベントエマーレをベースとした、食の革命がある。

飲食業・外食産業ではなく、食文化の新しいカタチをプロデュースする。

そのためには、皆が自由なチームであり続ける必要がある。

幸いなことに、チームの皆が何かしらの生業を持っている。
中西さんは、ピッツェリアでの職人・経営者としての仕事。
鷹巣さんは、NPO団体や地元のお店の活動、母として・主婦としての仕事。
山本さんは、産前産後ケアサロンのセラピスト、ヨガの先生、経営者、母として・主婦としての仕事。
他にも協力してくれる人、賛同してくれる人が日々増えているけれど、
皆、それぞれのプロフェッショナルとしての領域を持っているからこそ、
TOWNSHIP LABO に経済的に依存する必要がない。
つまり、TOWNSHIP LABO の活動は、夢と希望だけで舵取りができる。

そんな我々が行き着いた最新版の「食堂」のコンセプトとは いったいどのようなものなのか、ご説明します。

月額食堂の課題

わたしたちが提案する月額食堂は、ただ単純に、人件費や場所代や材料費を積み上げていって儲けを出すというだけのものではありません。
大切なのは、事業の継続可能性(Sustainability)です。
特定の人や状態に頼ることなく、自然に継続していってこそ、長期に渡って価値を届けることができる。
そして、その価値はやがて、古来から人間が受け継ぐ大切な「食文化」に対して、より多くの人が気付き、大切にして、育てていく環境へとつながると信じています。

継続可能性の高いビジネスモデルは、無理がないことです。
「人、モノ、場所」という3つの要素を事業に当てはめたときに生じる課題をどのようにクリアしていくかが重要です。
その課題解決による新しいライフスタイル・ワークスタイルの提案ができることが Township labo の価値であり、
その結果として生まれる月額食堂のスタイルにみられるビジネスモデルの価値です。

地域との協力関係による無限の可能性

わたしたちの道のりは決して簡単なものではないと理解しています。
難しいと感じるからこそ、まだ誰もチャレンジしていないのです。
それは、情報システムやビジネスモデルを頭の中で考えているだけでは、決して生み出されないもの。
多様性のある、つまりそれぞれが異なる経験・知恵・知識をもったチームで、ひとりひとりが考え、意見を出し、そのひとつひとつの意見をじっくり考え、また意見を出す。
さらに、各々が持つフィールドで、できることを行動に移す。
行動あってこその結果ですが、その裏側には、経験豊富なチームメイトと、枯れることのないチャレンジ精神があります。
それを支えるのが、ほかでもない「ワクワクする気持ち」なのです。

地域社会に暮らす人々には多様性があります。
とくに不動前のような都会の街には、様々なバックグラウンドを持つ人たちがいます。

  • 会社経営者、商店経営者、個人事業主
  • 会社の仕事以外に仕事をもつ機会がない従業員
  • 学校が提供する機会が限られていて、ワクワク探しの手段が少ない学生
  • 出産を機に退職するまでは第一線にいたのに、復職機会が少ないがためにスキルを活かせていない人
  • 定年後もチャレンジしたいけれど、年齢を理由に可能性を狭められてしまっている人
  • 地元を革新していきたいけれど、仲間がいない、どうしていいかわからないなど、行き詰まっている人
  • 現代の経済システムや業界システムに行き詰まりを感じている人
  • ・・・

「働く」から「参加する」へ

わたしたちがスタート地点とする Caffetteria Vento e Mare(カフェテリア・ベントエマーレ)は、
2018年2月に info.caffe(インフォカフェ)として生まれ変わりました。

info.caffe は単に食事を提供する場としてだけでなく、さまざまな形で地域の抱える課題を解決していくアンテナステーションとして機能します。

info.caffe は、従来の「働く」という考え方から脱却します。
食事ひとつをとっても、地元の主婦の方、定年後のアクティブシニアの方、地元で商店や会社を営んでいる方、会社員の方、未就業の方など、様々な人たちが「作る」「食べる」「新しいものを生み出す」という形で参加します。

食堂に食べに来る人はただの「Customer(客)」ではなく、どのような形で経済活動に参加できるのかを考えていくことができるモデルにしていきたいのです。
経済とは、イコールお金ではありません。

事業の継続可能性を考えていく上では当然ながらお金も必要となりますが、それ以外の可能性を突き詰めていったとき、新しい本物の「シェアリング経済」が回り出すということを、私たちは実際に行動することで証明していきたいのです。

info.caffe の未来

わたしたちは、縁あって「地方で農業を営みながら、別の仕事をする」というスタイルの方々と出会いました。
自給農をしながらITに携わっている人。
都会から田舎に移住して、自然農にチャレンジしながら、都会で暮らしていた頃の経験を活かした仕事を続けている人もいます。
半分農業、半分別の仕事。こうした生き方を「半農半X」と呼ぶようになってきています。
このようなことが可能になってきた理由はたくさんありますが、情報技術の発達は欠かせなかったことだと思います。

わたしたちが info.caffe で毎日の安心できる食事を月額料金で提供することを目指すとき、
この考え方で生きている方々とのコラボレーションが鍵となることに気が付きました。

都会に暮らすわたしたちには、数多くの課題解決の仕事があります。たとえばITで解決できる問題。しかし、自給する食材を栽培するだけの農地がない。
田舎に暮らす方々には、自給自足しても余るほどの食材がありますが、お金を稼ぐための仕事がない。

この2つを info.caffe が繋ぐ。
都会の課題を田舎のプロフェッショナルと共に解決することで、田舎に暮らすプロフェッショナルが役立つ場を提供するかわりに、物々交換として食材をいただく。
その食材を都会で大切に「食事」にしていくために、地元で暮らす主婦の方、プロ・アマチュアの料理人たちのコラボレーションがあります。
そしてその食事を食べるのもまた、地域の住人であり、他の人にはないオンリーワンの価値を出せる「プロフェッショナル」です。
わたしたち Township labo は、ひとりひとりの人間の価値を探求していきます。
そのために必要な交流、相互理解。
info.caffe は、そのための場でもあります。

info.caffe は既に走り出しました。
わたしたちがこの不動前で始めた小さなカフェから起こす改革がやがて世界中に広がっていくことを夢見て、ワクワクしながら今日もまた、チャレンジしています。

長いメッセージを読んでいただきまして、ありがとうございます。
読んでくださったあなたとも、繋がって、共に価値を創造していくことができたらいいなと思います。
ぜひ、一歩を踏み出してみてください。
不動前にお越しの際にはぜひ、info.caffe にお立ち寄りください。
あなたとの出会いを、楽しみにしています。

info.caffe / TOWNSHIP LABO 一同より。

info.caffe @不動前
〒141-0031 東京都品川区西五反田5-13-8
東急目黒線 不動前駅より徒歩2分 | JR山手線 目黒駅・五反田駅より徒歩15分